弄キンセンカ
劣ギリシャ神話
シシリア島にクリムノンという少年が暮らしていました。
クリムノンは太陽神であるアポロンを大変崇拝し、憧れていました。
アポロンの姿を見ることができる日中は幸せに思い、夜は悲しんで過ごしていました。
健気にアポロンを慕う少年の存在を、いつしかアポロンも好ましく思うようになりました。
ふたりは微笑みあい幸福な毎日を送っていましたが、そこへふたりの邪魔をする者が入り込みました。
それは、嫉妬深い雲の神でした。
雲の神は憎しみをその胸のうちに溜め込み、ついにアポロンを真っ黒な雲の中へ閉じ込めました。
クリムノンはアポロンがいなくなったことに悲嘆し、病に倒れてしまいました。
アポロンが雲の神の呪縛から放たれたとき、すでにクリムノンは死んでいました。
クリムノンの姿を見て悲しんだアポロンは、その亡骸をキンセンカの花にかえ、永遠に自分の前に咲くようにしました。
キンセンカは今でも太陽に向かって咲くのだそうです。
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